東京の社会人アイスホッケー事情(東京Uリーグ)について
春は大学卒業&新社会人または転勤の辞令も多い季節ですが、「卒業や転勤で東京に来て、アイスホッケーを続けたいけど情報も少ないし活動内容もわからない」という理由でなんとなくアイスホッケーから遠ざかってしまった方も多いのではないでしょうか?
そんな東京での社会人生活をスタートさせる方に向けて、セインツが所属するUリーグの活動を中心にご紹介していきたいと思います。
東京都アイスホッケー連盟の社会人リーグ
東京都アイスホッケー連盟(TIHF)が主催する社会人向けのリーグは以下のようになっています。
社会人Sリーグ (Super League) |
企業チーム・クラブチーム混合で9チームが所属 |
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社会人Uリーグ (Urban League) |
クラブチーム中心(一部企業団体チームを含む)に22チーム(Division1〜3に分類)が所属 |
オールドタイマー | クラブチームやOB会チームなど11チームが所属し、O-50・O-60で競技を開催 |
女子リーグ | クラブチームと学生チーム混合で5チームが所属 |
東京セインツはこの記事の作成時点で、上記の「社会人Uリーグ(Urban League)Division1」に所属しています。
東京都アイスホッケー連盟の公式戦(Uリーグ)
社会人Uリーグでは例年、前期(トーナメント戦)と後期(ディビジョンごとの総当りリーグ戦)が開催されています。
前期大会
正式名は「東京都社会人アイスホッケー選手権大会(前期)全国社会人アイスホッケー大会予選会」で、Div.1〜Div.3をAグループ・Bグループに分けてトーナメント形式で行われます。
グループは前年後期リーグの順位に基づいて決定され、順位決定戦まで含めて概ね3〜4試合が行われます。
この大会は日本アイスホッケー連盟(JIHF)が主催する全国社会人アイスホッケー大会の予選会を兼ねていますが、この数年では新型コロナウィルスの影響や開催地・参加チームなどの事情から中止が続いており、直近では2017/2018シーズンにチャーリーズ(UリーグDiv.1)、2018/2019シーズンにくまーず(UリーグDiv.1)が出場しています。
後期大会
正式名は「東京都社会人アイスホッケー選手権大会(後期)」で、ディビジョンごとに総当りのリーグ戦が行われます。
2023/2024シーズンのUリーグDiv.1は8チームのため、2024年1月〜2024年5月にかけて各チーム7試合を戦うことになります。
後期リーグでは最終順位によって所属ディビジョンの入替が発生し、各リーグ上位2チームと下位2チームが入れ替えとなります。
順位は勝敗による勝ち点と各試合の得失点差により最終決定されます。
学生リーグと違って入れ替え戦はありませんので、シーズン中の試合はどの試合でもベストを尽くすことが求められますね。
試合会場・試合開始時間など
2023/2024シーズンの試合会場は、ダイドードリンコアイスアリーナ(西武新宿線東伏見)またはBIGBOX東大和(西武拝島線東大和)のいずれかです。
試合開始時間は日中に仕事を持つ社会人のリーグかつ平日開催ということもあり、概ね21時台〜22時台で組まれることが多いです。
仕事や家庭との両立に最大限配慮し参加しやすい時間帯で行われているものの、やはり日程によっては各チームの主力選手が欠席してしまうこともありますね。
それもまた社会人リーグ、という感じです。
また2025年秋には東京都初の公営通年リンク「東京辰巳アイスアリーナ(仮称)」が江東区辰巳に誕生する予定です。
Uリーグの会場になるかどうかは現状未定ですが、首都高からも近く集まりやすいということで期待が高まっています。
参考)東京辰巳国際水泳場から都立初の通年アイスリンク施設へ~東京辰巳アイスアリーナ(仮称)の施設運営計画を策定~
大会オフィシャルについて
各大会では対戦チーム以外の2チームにオフィシャル(当番)が割り当てられ、当番チームは各試合4〜5名のオフィシャル要員を派遣する必要があります。
オフィシャルの仕事は、当番1・当番2によって担当が異なります。
2023/2024シーズンでは以下の割当になっています。
当番1(本部席)
本部席を担当するチームは4名で以下の仕事を担います。
スコアキーパー | 試合の記録をゲームシートに記録していく係です。 各チームのオーダー表を回収後、ゲーム中の得点やペナルティ、各ゲームスタッツなどを記録していきます。 |
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アナウンサー | ゲーム中の得点やペナルティ情報、ゲーム開始前や終了後などの場内アナウンスを行います。 |
ペナルティタイムキーパー | 場内に掲示される電光掲示板の操作(スコア・ペナルティ)を行います。 会場によってシステムが異なるので、それぞれの操作方法を熟知している人が担当することが多いです。 |
タイムキーパー | ゲーム時間やインターバル時間を設定し、ホイッスルや得点時、フェイスオフに連動してタイマーを操作する担当です。 |
当番2
当番2のチームはゴールジャッジ(2名)、ペナルティボックスキーパー(2名)の4名に加え、2023/2024シーズンではラインズパーソン1名を派遣することになっています。
ゴールジャッジ (ショットカウント) |
担当するサイドのゴール判定とシュート数の記録を行います。 |
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ペナルティベンチアテンダント | 担当するサイドのペナルティボックスの開閉と各選手のペナルティ終了時の出場を管理します。 |
ラインズパーソン | 氷上でレフェリージャージを着用し、線審を行います。 |
ラインズパーソンは主にオフサイド・アイシング・フェイスオフを担当することになります。
またラインズパーソンはチームごとに事前に登録票を提出する必要がありますが、登録できるのはラインズパーソン講習会(※後述)の参加者のみとなります。
その他の活動
東京Uリーグのその他の活動としては、前述のラインズパーソン講習会があります。
ラインズパーソン講習会は座学講習と氷上講習があります。
座学講習
直近ではZoomミーティングを使用して行われています。
平日夜(20時頃)のスケジュールで複数回開催され、事前に都合の良い日でエントリーして参加します。
大きなルール変更などがなければ前回参加者は座学免除となる場合もありますが、欠席するとラインズパーソンの登録ができません。
座学の内容としては、事前に配布されたテキスト資料を元にオフサイド・アイシング・フェイスオフの判定方法ややり方、ジェスチャーの出し方、実際の手順などをレフェリー委員会の講師の方から説明していただき、質疑応答の時間もあるためルールの理解を深めるためにも役立つ内容となっています。
氷上講習
氷上講習も東伏見・東大和の各会場で複数日程が組まれ、そのうち都合の良い1日を選択して事前エントリーの上で参加します。
氷上講習では実際にスケート・ヘルメット・ホイッスルを持参して、氷上でラインズパーソンの実技やゲーム中のポジション取りなどを教えてもらいます。
ラインズパーソンはオフィシャルの際にチームから一人で参加する(主審ともう1名のラインズパーソンはレフェリー委員の方)ことになりますので、参加者は皆真剣に取り組んでいますが、数少ない他チームとの交流の場でもありますので、リンクサイドでは和気あいあいとした雰囲気です。
いかがだったでしょうか?
東京Uリーグではチームによって様々な年齢層やバックグラウンドの人が参加し、アイスホッケーを楽しんでいます。
東京セインツでも新規部員募集中ですので、ちょっとでも気になっている方はお気軽に見学・ビジター参加にお越しください!